液体の緑

 メロンソーダの話
今日焼肉屋で久しぶりにメロンソーダを飲んだ。私はメロン系が好きみたいで、かき氷ならメロン味、パンならメロンパン、ジュースはもちろんメロンソーダがお気に入りである。

今日のメロンソーダはシンプルなもので氷だけが入って細いストローでじゅーっと飲むスタイルであった。ストローで吸うと対流が出来るみたいで、飲んでて見えて美しい。みどり液の中にあるみどり色の対流はとどまることを知らず気まぐれである。もし私がこの対流の筋一本一本を切り取り絵に描けたらどんなに最高かと思ってしまう。
メロンソーダはおいしくて懐かしい味だがしかし甘くほっておいたら氷が融けて、薄い味になってた。残り少なくなったぬるいみどり色を吸っていくとだんだんみどり色が消えていって、やがて透明な空のコップが残っていました。


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 緑茶の中の廃墟の話
いつもとは違う透明な急須でお茶を淹れてみた。お湯を注いだ途端葉っぱがくるくるくるくる回る。少し落ち着いたところで見ると、急須のみどり色の中で小さな廃墟が存在している。崩れかけた建物に吹雪、そしてすべてがみどり色。