最後の花火

2009年の、夏の、隅田川の花火は忘れられません。

私は浪人中で、その日大学のオープンキャンパスに行って来て、暑い日で疲れて、家で塩からあげを食べていたら、叔父さんから電話がかかってきて、私が取って、祖父が亡くなったと伝えられた。ちょうど父が帰ってきて、電話を渡したけどどうにも信じられなくて、だってあんなに元気だったし、この前電話したばっかりだよと混乱して、でも母からこれから祖父に会いに札幌に行くと言われ、必死に飛行機を予約し、黒い服をつめ、急いで車に乗り込んだのだった。羽田へ向かう途中、涙をどうしていいのかわからず、窓から外を見ていたら、ちょうど花火が上がって、ぼやけて、でもきれいで、私はこの花火を絶対忘れないと思ったのだった。