小麦がやがてパンになり私はそれをひたすらに切る

バイトに最近は毎日行っている。準備の時間はパンをひたすら切り続け、もはやパン切りが瞑想のようだ。昼にはたくさんの人がサンドイッチを買いに来る。次から次へと作り続け、彼らはぱくぱくと食べる。作る、食べる。作る、食べる。サンドイッチを境界にして今日何人の人と言葉を交わしたのだろう。私が作るサンドイッチは玉ねぎがはみだし気味だけどおいしかったのだろうか。
特製野菜ジュースを持って学校に行く。皆で音読をしマンボーが漂っている番組を見る。友達はゼミの休憩時間のうちにえびラーメンを完食する。マンボーは悠然と水槽の中を泳ぐ。ゼミは早めにあっけなく終わりしっくり来ないが帰宅する。マンボーは300000000個の卵を産む。近頃は心と口がうまく噛み合ってなくて、どうも違う人が喋ってるみたいで、寝ている間に誰かの唇が移植されたみたいだ。マンボーは10年の命なのだそうだ。マンボー。